後ろ指差す人

in 思考の酵母

後ろ指差す人は、物理的に自分の後ろにいる。僕が向かう目線の先ではなく過ぎた過去にいる。振り向く余裕はないので、僕の中ではもうない人である。とりあえず、今と自分の最も手強い敵は自分自身であり、他人どころではないのが正直なところである。

陰口も同じであろう。そんな建物の隙間の影でこそこそ言われても、気付きようがない。目の前に面白そうな燦々と日光を浴びる遊び場に向かっている自分からすると、そんな日陰にずっといることがなんだかよくわからない。そんな遠くの声は届かない。

自分のことでこんないっぱいいっぱいなのに、誰かのことを心配する時間がない。そういう意味でいうと後ろ指差す人も陰口叩く人も、優しい人なのかもしれない。自分ではない誰かのことを心配する余裕が今の僕にも未来の僕にもあるのかがわからない。

良いことも悪いことも、どちらでも、僕のことに数秒でも時間を使ってくれたことだと思う。ありがとうございます。じゃあ、それぞれ次の自分のことをはじめましょうか。そっちのほうが楽しいと僕は思う。

松倉早星

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