ハンバーグ

in 思考の果実

家族の絆を確かめたとき

 

昔、「交響詩篇エウレカセブン」というアニメで、主人公の爺であるアクセル・サーストンがこう言うシーンがあった。主人公にもそう言い、新しく孫が出来てはそう言っていた。家族の絆を確かめた時にハンバーグを食べる。素直に素敵だな、と思った。

ただ、僕の中では「記念日に特定の店で外食」というところがひっかかった。外食は美味しい。外食は楽しい。でも、何年、何十年経ってもその店が営業しているかどうかは誰にもわからない。もしかしたら潰れてるかもしれない。潰れてしまうとそのハンバーグも食べられないし、祝えなくなるのではないか。そういう気持ちがどっかであった。

そして妻が産褥期に入ってご飯を僕が作るようになってから、僕はハンバーグも作るようになった。いろんなレシピをインターネットで探してはトライして、結果としてひとつの我が家オリジナルハンバーグのレシピが完成した。
最初は4月11日、長男・和貴の小学校入学の夜に焼いた。5人家族で男が4人となると(一人は新生児だが)ハンバーグなど焼くとものの見事に家族みんなが「無条件幸福」な食卓になる。誰も文句を言わない。長男はありがたそうにありがたそうに他のおかずを先に食べて、ハンバーグをチビチビと食べるし、次男は真っ先に好きなものから食べて、つまりハンバーグを先にモリモリ食べては他のおかずを「お腹いっぱいになったから」という理由を出して残す。性格が出てくるが、どちらにしても家で実際に捏ねてすごい高さに丸められたハンバーグを焼くだけで、幸福な食卓になるのである。

5月18日。この日で神山町に引っ越してきた1年経った。来たときはまだいろんなことが未消化だったり未体験だったりで、まるで「無人島に流れ着いた日々」のような空気だった。長男の精神も全然安定しておらず、発作のような状況になったら落ち着かせるのに大変だった。しかし今はすごく落ち着いている。あの頃のことを思い出すと、引っ越してきて来てよかったと本当に思う。しかも三男にまで恵まれた。よかった。そう思い、またハンバーグを焼くのだった。

トマトソースの煮込みハンバーグ。フライパンで4つ同時に焼くのは難しい。