しっとりVSほろほろ

in 思考の果実

砂糖を入れず、トランスファットフリーショートニングでつくったシュトレン。焼き上げて、一週間寝かせて熟成させ、食べてみた。

「うわー。中がホロホロやー。これは美味しいなあ。甘くないし」

妻はそう言いながら食べるのだが、僕は、僕個人の思いを率直に述べると、

「中身がホロホロ? それはちがうんじゃない? 中身がしっとりしてこそシュトレンなんじゃない? これだったらそこらの菓子パンとかクッキーみたいな焼き菓子と変わりなくない?」

だったのである。

味覚、というのは個人個人の感覚に頼るもの。誰かが美味しいと感じるものが、等しく他人が美味しいと感じるとは限らない。となると世間一般の「美味しい」や、「美味しいお店」などというのは、沢山の人達の「最大公約数的な味覚」に頼ってこそ成立するものなのかもしれない。妻の美味しいは僕は美味しくない。その逆も、長年一緒にいると当然数多ある。でも……、でも「中がホロホロのシュトレン」は、もはや「シュトレンに似てるけどちがう何か」なんじゃないか。ドイツにもオランダにも無論行ったことは無いが、世間一般の名店のシュトレンなども食べたことはないが、これは今までのシュトレンとあまりにも味が違いすぎる。

ということを妻に話すと「アンタの舌がおかしい」と言われ、「幼少の頃から市販のお菓子ばっかり食べてたせいで、今も虫歯だらけの人間が何を言うのか」と言い返し、「アンタは幼少の頃はまともな食生活だったか知らんけど、今はもうずっとジャンクフードやらコンビニのものやら食べてるから今もうアカンのや」とか言い返され……さらに言い合いになり……。

そこでシュトレンの試作・製造がストップしてしまったのであった。

結局、製造を再開したのは11月中旬。昨年買っていただいた方から「今年はもう予約が終わったんですか?終わってなければ買いたいです」という連絡を受けて、「そうや。去年食べてくれた人は味を覚えてて、『この味を楽しみたい』と思って再び買ってくれるんや。ちがう味と食感になったら、その人にとってはアカン」という結論にたどり着いた。

そして、砂糖・バター無しのシュトレンは、これで双方納得がいくレベルの美味しさが保てたシュトレンが作れてから販売したほうがいいのではないか。「プレーン」と「砂糖・バター無し」の2タイプを選べて買えたらいいんじゃないか。そういうことになった。僕も「今のままでは提供できる味じゃない」と言ってるだけであって、砂糖・バター無しを否定しているわけじゃない。

ただ、昨年よりも自然栽培のはっさくピールやドライフルーツ類、ナッツ類は生地量に対して増やした。やっぱり増えたほうがいいだろう。お値段はそのままだけど、多いほうがおめでたい感が増すだろうし。
そして、焼きあがった直後にホワイトラム酒を塗るのだが、これも「レーズンを漬け込んでいたホワイトラム酒」に変えた。このほうが葡萄の味と香りがより生地に染み込むから。甘くなるのならば砂糖を減らすこともできるだろうし。

まあ何を言いたいのかというと、今年のシュトレンは美味しい。みんな食べたほうがいい。ということです。
(あと、砂糖・バター無しver.を求める声がはたしてどれだけあるのかも知りたいです)

おいしいよ!

思考の酵母: