「森林の市」リニューアルデザインについて

in 思考の果実

林野庁の近畿中国森林管理局から依頼があり、「森林の市」というイベントのデザインをさせていただいた。大阪市は桜ノ宮近辺の川辺の公園で毎年行っているお祭りのロゴならびに広報デザインの仕事だ。全国各地の木の産地からブースが出展されるなか、子供たちと木を切って椅子をつくったり、小さた棟上げ体験をしたり、と木にまつわるさまざまな体験を通じて、森の保全や樹木の生態を学ぶというイベントだ。さらに「水都大阪」というイベントとも関連していて、川でボート体験などをすることで川についても楽しく学べるようになっている。

もう20回以上開催しているイベントにも関わらず、恥ずかしながら今まで知らないイベントだった。担当の方々に聞くと、木の製材や加工の仕事に携わる方々にならまだ認知度はあるほうなのだが、「木に興味のない人たち」に全然知られていないイベントになっているとのこと。ついては、デザインの目的としては、「木工や環境に興味が薄い人たちに、本イベントに来てくれるためのデザイン」となった。

似たような仕事は過去にあった。「ワン・ワールド・フェスティバル」の広報デザインがそれだった。世界の環境問題に興味がある人たちしか来なかったイベントに、そうではない人たちにいかにたくさん来てもらえるのか」という目的があった。ロゴデザインなどの「活動の旗印」が明確になっていなかったこともあり、「環境問題カラー・福祉カラー」に傾かないロゴや広報物をデザインしたところ、来場者が増えた…ということがあった。(もちろん会場のリニューアルや新しい行事の追加という新しい集客力のちからも強かったが)
お客さまは「ワン・ワールド・フェスティバル」のデザインを見られて依頼してきたとのことだった。

いままでの「森林の市」は、ロゴもなく、職員がワードやエクセルでレイアウトしたものを印刷したり、町の印刷会社がレイアウトしたものばかりで、しかも作業に当たる人が毎年変わることもあり、まったく統一感のないデザインばかりが続いていた。
そこで、新しいロゴマークの開発と、それをメインビジュアルにした広報物をつくるということで話が進んだ。

3案制作し、プレゼンテーションしたところ、ふたつの案が甲乙つけがたいという話になった。話し合いの結果、ロゴはサイズ・カラーも柔軟に使用できる案になり、広報物のメインビジュアルは「ワン・ワールド・フェスティバル」のような当初想定してた形式にとらわれず、「とにかく楽しそうでちょっと不思議な面白さ・可愛さがあり、2年、3年と続くことで変化を加えられるビジュアルにすると、続くことで認知が広がる」という考え方に基づいた案に決定した。

 

ロゴは「森林の市」の文字をそのまま使い、マーケットや川遊びのビジュアルも入れながら、印鑑のようなモダンな紋章のようなロゴとした。ゆくゆくはこれで焼印を作り、木工ワークショップで作った家具などに押せたらいいなと思う。

広報物のビジュアルは「森林」という漢字をモチーフに、積み木のような建築物のような不可思議なモノに、親子が遊んだり植樹をしているようなイラストレーションを作画。この構造物のようなモノが来年、再来年と年を経るごとに増築し、周りの樹々も成長するというような「続けるデザイン」とした。

これを書いている今日(2015年10月4日)開催しているイベントなので、これをご覧になった方々はぜひ遊びに行ってみてください。

思考の酵母: