「奥さんじゃないほう」がパンを焼く

in 思考の果実

去年の11月に長男が失語状態になって以降、なぜだか不思議と家で自家製酵母が起こせなくなった。タルマーリーの渡邊格さんが著書「腐る経済」で書かれているように、人の感情に酵母菌は本当に左右されるのだということをここ半年身をもって感じていた。

が、神山町に引っ越してはや4ヶ月。そんなこんなでなんとか長男も成長し、少しずつ穏やかさを取り戻しつつある森口家。妻はたまに「白神こだま酵母」という人口培養された天然酵母でパンを焼いたりしていた。近所の人たちから野菜などをいただいたら、お返しに渡すのはパン。ハード系のパンはお年寄りは召し上がらず、食パンを焼いては渡していた。

まあそれはそれでいいとして、引っ越してきて4ヶ月でよく聞くのは「森口さんの奥さんって、パン焼くんですよね?」というようなセリフだ。

ちょっとまって。ちょっとまってくれ。パンを焼くのは実は妻の専売特許じゃない。実は僕だって焼くんだよ。
「家族が食べるためのパンはお互いつくれる時につくる」そして「自分が友人に渡したいパンは自分がつくる」というのが、我々夫婦のパンづくりのルールだ。現に大阪や奈良でのいろんなイベントで持って行ったパンはよっぽどのことがない限り僕が焼いたものだ。(朝9時に奈良県立図書情報館に3日連続通う、という時はさすがに妻も焼いたり)
ましてや僕は「編集ピザ」の主催者。長男が編集室(会場)に連れて行けなくなってからもう1年ほど開催できなくなっているけど、そろそろ編集ピザも復活できそうなんだよ。それを奥さん奥さんと……、いったいどうなっておるのかね!?

そんな思いもふつふつと湧いていたので、思い切って酵母から育ててパンを焼いた。僕ら夫婦、それぞれパンに対して追いかけたいテーマはちょっとちがう。僕のテーマは「日本の素材を使ったパンをつくる。そしてできるだけ簡単で継ぎ足せる酵母を育て続ける」だ。

そもそも「市販のパンは添加物がいっぱいだから自分でつくる」というところからスタートしている我が家のパンづくり。できるだけ素材はオーガニックなものや自然栽培のものを使いたい。でもオーガニックだからといって外国産のレーズンなどを使うって、はたしてどうなのか。できるだけ体にいい食べ物を食べたいけど、外国の農家さんじゃなくて、できれば日本の農家さんの収入になるような素材を買って焼いたしたほうがいいんじゃないか。そう思い、僕はずっと甘酒で酵母を起こしてパンやピザを焼く方法を習得しようとしていた。

 

今回はそのなかでも「玄米麹」をつかって「玄米甘酒」を最初につくり、それを元に酵母を起こした。玄米麹のほうが普通の麹よりもパワフルっぽい。エネルギーが高いっぽい気がするから。

できた玄米甘酒酵母に栃木で自然栽培された全粒粉を混ぜ、パンの元種をつくった。3日間かけて足し続け、この量まで増やす。それからいよいよパンづくりだ。

熊本産の強力粉と元種、酵母液と(普通は水を使うけどウチは酵母液)海塩を混ぜて捏ねる。右手でシャッターを切っているので左手で捏ねてる。

これで一次発酵・二次発酵をしてから成形する。

超久々にクープを入れる。何回か刃を入れてしまった跡がバレバレ。

玄米甘酒のカンパーニュ。ばっちり焼けた!

で、朝にいただいた。見た目はきれいだけど、捏ねる時に入れた酵母液がちょっと寝かせすぎたスモモ酵母液だったために、酸味の強いパンになってしまった。

というのが昨日の僕のパンづくり。今日は捏ねる時に水代わりに使ったスモモ酵母液を玄米甘酒酵母液に変えて再トライ。クミンのカンパーニュをふたつ捏ねたら、はち切れんばかりに大きく焼けた。びっくり。うれしい。

ひとつは明日のプラットイーズさんとこでの打ち合わせに持っていく予定。酸味がないことを祈るばかり。

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3 Responses

  1. えぞえ より:

    神山に引っ越したんですね。
    素敵な決断。
    なにげに覗いたブログもいい感じ。
    また、寄らせてもらいます。
    そして、今度会ったら、そんな話聞かせてください。

    • Koji Moriguchi より:

      うおお!江副さん!ありがとうございます!
      こんなブログにコメントくれるひとなんていないよな…
      と思ってコメント設定とかほったらかしてたら、
      憧れの江副さんで本当にびっくりしています!
      神山は面白人間が多い上に廣瀬さんをはじめとする
      釣り師も多いので、ぜひ遊びに来てください!

  2. えぞえ より:

    3月にも行ったけど、また行きま〜す。
    フライロッドか、鮎竿持ってね。