腰痛

in 思考の果実

クリスマスから激しい腰痛に見舞われていた。

僕の腰痛との付き合いは中学時代まで遡る。中学からはじめた陸上競技において、練習のしすぎと練習方法の悪さからか、僕は腰痛持ちになった。高1ではじめてMRIを受けた結果「軽いヘルニア」と診断されたこともあった。その頃からだましだまし腰痛とは付き合っている。

大学を出て、福祉職、大工や施工管理業、PC仕事など、いろんな職業に就いたが、ついてまわってくるのは「腰痛を引き起こす仕事」だったように思える。福祉職でシルクスクリーンのスキージに力を込めるときも腰痛だったし、建築図面を引くときも、建築現場を駆け回るときも腰痛がついてまわった。今のデザイン業も椅子に座りっぱなしだったからもちろん腰痛。独立してから現在は腰痛と肩こり防止のために「立ち机」を自分で作って立ちながら仕事をしている。この立ち机で腰痛と肩こりは大いに改善した。しかし。だがしかしその立ち机の効能を超える「腰痛因子」が僕にやってきたのだ。

そう。「息子たちの抱っこ」である。

抱っこ。これほどまでに身体をアンバランスにさせる動作はあるだろうか。長男が生まれて間もないころはよく「抱っこひも」なるアイテムを多用していた。これだと肩で重量を支えることができるし、まず両手が空く。楽だ。しかしながら子供の体重が10kgを超えるあたりで抱っこひもも限界を迎える。肩が外れるかと思うくらいに痛くなるし、そもそも体長がデカくなり抱っこひもが合わない。そこで素手で抱くことになる。

腕で抱くとなると、両腕で抱くか片腕で抱くか、という姿勢に自ずとなるだろう。しかし常に両手で抱き続けるというのは日常生活的に不可能と言わざるをえない。基本的には「ベースとなる方の腕」で抱きながら、もう片方を添えて抱く。後者の方の手で荷物を持つだのドアノブを開けるだのといった作業をする。だいたいそういうもんだと思う。

そうなると、また自ずと「抱きなれるほうの手」というのが生まれる。おそらくそれはグローブを持つ方の手で、いろんな「いざ」という動作をするのを利き手に任せるために、ベースにするのは利き手と逆の手となるはずだ。その「利き手じゃない方の手」で子供を抱き続ける。辛い。最初はそんな動作はやったことがないはずだから、腕・肩・背筋がすぐに悲鳴を上げる。いつか慣れるとしても、子供はどんどん重くなってくる。辛い。そして左右のアンバランス、左右異なる疲れや痛みができてくる。

また、抱っこするということは前後のアンバランスも生み出す。前でバランスよく抱こうと思うとやや少し自分の身体を後ろに反らなねば重心を保てない。すると背筋や腰にずっと負担がかかり続けることになる。辛い。さらに身体の前後のアンバランス、腹筋と背筋の疲労や筋力の差もできてくる。

僕はおそらくこれで、次男の抱っこが長時間に及びすぎたことで今回の腰痛を発症したと思われる。クリスマスイブに大きな公園に子どもたちを半日連れて行って、大きすぎるがあまり移動が大変で、ずっとずっと次男を抱き続けなければならかなったから。日頃の疲れの蓄積に加えて(オール手捏ねのパン屋もはじめたし)冬の寒さで筋肉も縮こまっていただろうから、半日も11kgの次男を抱き続けていれば僕の腰が壊れるであろうことは想像に固くなかった。

実際、26日からお年寄りのように腰が曲がって上体が前傾してしまい、上にまっすぐ身体を起こすことができない……まっすぐ立とうと思うと激痛が邪魔をしてまっすぐ立てない……という状況になった。

ここまできつい腰痛は生まれて初めてだった。いままで何度も「ギックリ腰」をしたことがあって、それはシンプルに「腰の激痛」であったり痺れであったりしたのだが、「腰を前に曲げ続けないと歩くことも立つこともできない」という状態ははじめてだった。

超困った。まー困った。そもそもまだ仕事納めじゃないのに仕事ができない。立ち机での仕事がアウトだ。座るのも痛すぎて座れない。唯一とれる体位が「横向いて脚曲げて寝る」だけだった。なんと「天井を向いて寝る」ことすらできなくなってしまった。

だから、25日から仕事ができなくなってしまった。Macに向かえない。メールで連絡もできない。育児も家事もできなくなってしまい、「ああもう、今年はもう『仕事納め』にせざるを得ないな」と思った。そうせざるを得ない。だって横向いて寝るしかできないんだから。

そして、同時に町の接骨院に通いつめた。毎日通って、炎症を起こしている腰と腸腰筋を冷やし続けた。施術を繰り返し、ようやく今日、だいたいまっすぐ立てることができた。

腰痛は怖い。本当に怖い。アタマがどれだけクリアであろうが、自分の仕事が大好きでポジティブな精神状態であろうが、クルマを運転するどころか歩くこともできず、机にむかうこともできないとなると、結局のところ「仕事ができない」というのと同じ状態になってしまう。他にスタッフを雇っていればまだ回避できるのであろうが、本当に腰痛は怖い。みなさんも腰は大切に。

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