思考の酵母 ‘パン屋’

やりたいことで、やっていこう

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6月からベーグルをやめてカンパーニュばかりを焼いていたところ、先々週いきなり「予約」というものが初めて入った。喜多の安心市に卸してるレーズンのカンパーニュをホールで3つ。僕に電話で問い合わせたかったが連絡先がわからず、ネットで検索しても出てこなかったから、店に「次に焼いて持ってくるときに3つとっといて」という予約を頼んだ、とのことだった。
そうか、予約か。それだと欲しいパンが欲しい分だけ手に入るから、たしかにいいな。こっちも売れ残るということがなくなるし。そう思って焼いて納品した。

 

するとついこの間の夕方、突然見知らぬ番号から電話がかかってきた。

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カンパーニュに特化してみる。

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ベーグルの売上が下がってしまってから、僕らは「ちがうパンもシリーズ的に売ってみよう」と考えた。それまでは喜多野安心市ではかなりベーグルに特化していた。最初はあれもこれも並べるよりも絞ったほうがいいと考えていたし、そもそもそんなにたくさんの種類のパンをつくる技術も時間もまだまだだったから。でも、「ベーグル屋」となるよりやっぱり「パン屋」でいたいし、ジャンルは4,5種類くらいに絞るかたちで新しいジャンルのパンも売っていこう。そうふたりで話し合った。 (さらに…)

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モリグチャウダーのベーグルの推移

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以前、僕達のパンは最初「スペルト小麦のパンとライ麦パンでいく」と書いた。僕自身の健康のための試験であり、何か他所とは違う特色を出すべきじゃないか、と夫婦ふたりで相談してのことだった。まず第一段階のチャレンジだった。

そして、三男が出産する前、徳島市にある健康食品店「ぱんぷきん」から「スペルト小麦のパンやベーグルを卸す」という話がまとまり、少ないながらもベーグルを中心に売らせてもらえるようになった。

今となっては「幻」のスペルトベーグル。徳島大学フューチャーセンターのイベントに出店もしたが……。

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ライ麦100%を目指して(前編)

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スペルト小麦のパンと同時にずっと考えていたのは「ライ麦100%のパン」の製造と販売だった。

僕が住む徳島県は全国でも有数の生活習慣病患者数を持つ県。糖尿病は平成5年から平成18年にかけて,14年連続して「糖尿病死亡率全国ワースト1位」が続いていたと県のウェブサイトにある。(それでも昨年は5位
これは引っ越してきてからいろんな人に聞かされて知ったことだった。知り合う人の中でけっこう糖質制限をしている人が多かった。「ご飯は基本的に食べない。肉と野菜だけ」「パンも食べられない」という人を、ここ神山町でけっこう出会った。 (さらに…)

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スペルト小麦パンの始動

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どうすればダレやすい生地をよい形のパンに着地させることができるのか。どれくらいの分量の小麦ならば「食べ応え」と「価格」のバランスが取れるのか。それを1月初旬からずっと試し続けていた。

ダレやすい生地で美味しいパンをつくる。それを実行に移すためには、大きく二つの道があると考えた。「ダレないような生地づくりをする」という方向と、「ダレやすくても美味しく焼ける製パン方法にする」という方向だ。簡単に言うと前者なら「正解の入口を磨き出す」ということであり、後者なら「相応しい出口を選択する」ということになる。 (さらに…)

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スペルト小麦とのたたかい

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約9000年以上前と変わらぬ存在のスペルト小麦。モリグチャウダーのパンはまずこれで試行錯誤を続けている。しかしながら、やはり9000年間の品種改良というのは伊達ではなく、この小麦の「クセ」はなかなかのものであり、パンづくりは予想以上に難航したのであった。 (さらに…)

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スペルト小麦とわたし

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年末年始にシュトレンを焼いて販売していると、妻の友人から注文の連絡があった。彼女は今まで家の近所のパン屋さんからシュトレンを買っていたのだが、昨年いきなりパン屋さんが「小麦アレルギー」を発症してしまい、パン屋を廃業してしまったのだそうだ。(ちなみにそれは「バナナ入りのシュトレンだったんだけど、つくれる?」というオーダーで、妻はカスタムシュトレンを無事焼いた) (さらに…)

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はじめてのパン屋

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徳島4K映画祭でパン屋をやった。2日間。はじめての体験。「あたらしい仕事」のはじまり。3時に起きて生地をこねて、寒いので一次発酵に時間がかかってしまい、大量のパンに成形が追いつかず、二次発酵にも時間をかけねばならずで、10時オープンの予定がオープンできないという非常事態に陥った。これがとても残念な反省点だった。

だが、その分本当に「焼きたて」を出すことができたので、販売は上々。両日ともに96個を2時間で売り切った。売れ残ったらどうしよう…まあ、晩御飯に食べるか?とか考えていたので、すごい短時間で売れたのは嬉しい限りだった。


「うちに置いてほしい」というお店の人が来られたり、「神山は遠いから市内のあそこに置けるように話をつけたい」という人まで現れたりした。すごいなと思う。

「自分で酵母菌を育ててパンの元種をつくり、自分で捏ねて焼いて自分で店頭に出す。そして商品と引き換えにお金をいただき、面と向かって喜びの声をいただく」という、すべての段階でデザイナーでは得られない魅力のあるはたらきかただと改めて思った。
福祉施設の指導員、求人広告制作業、建築設計士、施工管理などの仕事を経て出合えた「グラフィックデザイン」という仕事は僕の天職だと思っていたが、パン屋という仕事もそれと負けず劣らず面白い。比べる部分が各々違うけれど、各々とても面白い。どこの部分にでも常に発見があり、学びがある。
「今回こうやったけど、次回はああやったらもっとうまくできるな」というような、自分自身の「のびしろ」が自分で見つけられる仕事、見つけ続けられる仕事が、いわゆる「天職」と呼べるものなんだろうな、と今思う。

そしてそれはひとりにつきひとつとは限らない。さらに、何歳になっても出合えるものだとも思う。