思考の酵母 ‘仕事’

やりたいことで、やっていこう

in 思考の果実

6月からベーグルをやめてカンパーニュばかりを焼いていたところ、先々週いきなり「予約」というものが初めて入った。喜多の安心市に卸してるレーズンのカンパーニュをホールで3つ。僕に電話で問い合わせたかったが連絡先がわからず、ネットで検索しても出てこなかったから、店に「次に焼いて持ってくるときに3つとっといて」という予約を頼んだ、とのことだった。
そうか、予約か。それだと欲しいパンが欲しい分だけ手に入るから、たしかにいいな。こっちも売れ残るということがなくなるし。そう思って焼いて納品した。

 

するとついこの間の夕方、突然見知らぬ番号から電話がかかってきた。

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はじめてのパン屋

in 思考の果実

徳島4K映画祭でパン屋をやった。2日間。はじめての体験。「あたらしい仕事」のはじまり。3時に起きて生地をこねて、寒いので一次発酵に時間がかかってしまい、大量のパンに成形が追いつかず、二次発酵にも時間をかけねばならずで、10時オープンの予定がオープンできないという非常事態に陥った。これがとても残念な反省点だった。

だが、その分本当に「焼きたて」を出すことができたので、販売は上々。両日ともに96個を2時間で売り切った。売れ残ったらどうしよう…まあ、晩御飯に食べるか?とか考えていたので、すごい短時間で売れたのは嬉しい限りだった。


「うちに置いてほしい」というお店の人が来られたり、「神山は遠いから市内のあそこに置けるように話をつけたい」という人まで現れたりした。すごいなと思う。

「自分で酵母菌を育ててパンの元種をつくり、自分で捏ねて焼いて自分で店頭に出す。そして商品と引き換えにお金をいただき、面と向かって喜びの声をいただく」という、すべての段階でデザイナーでは得られない魅力のあるはたらきかただと改めて思った。
福祉施設の指導員、求人広告制作業、建築設計士、施工管理などの仕事を経て出合えた「グラフィックデザイン」という仕事は僕の天職だと思っていたが、パン屋という仕事もそれと負けず劣らず面白い。比べる部分が各々違うけれど、各々とても面白い。どこの部分にでも常に発見があり、学びがある。
「今回こうやったけど、次回はああやったらもっとうまくできるな」というような、自分自身の「のびしろ」が自分で見つけられる仕事、見つけ続けられる仕事が、いわゆる「天職」と呼べるものなんだろうな、と今思う。

そしてそれはひとりにつきひとつとは限らない。さらに、何歳になっても出合えるものだとも思う。

さよならアウンクリエイティブファーム

in 思考の果実

年内いっぱいで、僕のデザイン事務所「AUN CREATIVE FIRM」の名称をやめようと思う。

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はじめてグラフィックとウェブのデザイナーとして就職したデザイン会社は、主にクライアントの性質や製作者の特性によってチームを編成していた。対広告代理店チーム、対学校案内・会社案内チーム、コピーライターチーム、ウェブチーム。今考えてみたら、ウェブとコピーはどんな内容のお客さんであっても、もはや必ずと言っていいくらい関係せざるを得ないものだし、広告代理店と企業直取引との対応はどのようにちがうのか、と言われると何も変わらない(キツさだけかわる)。よって、チームの分け方がおかしいといえばおかしいのだが、それが反面教師的に今の自分に活かされている。 (さらに…)

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パン屋がはじまる(1)

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11月の25〜27日に開催される「4K徳島映画祭2016」で、パン屋として出店することになった。出店は26日と27日。ついにパン屋がはじまる。

この映画祭は2回目なのだが、今回は「神山でかつて栄えていた寄井商店街を劇場商店街にする」というコンセプトを掲げていて、飲食・物販からワークショップまで50の屋台が並ぶこととなっている。そのうちのひとつとして、僕らが「自家製天然酵母のパンとスープの店」を出店することになったのだ。

僕らが神山町に引っ越してきた理由の一つに「パン屋を(も)したい」がある。数少ない夫婦共通の夢、パン屋。大阪でやろうと思うとまず家賃が高いだろうし競争相手も多すぎるから、スタートアップがかなり難しそう。でも田舎なら家賃は安いし競争相手も少ないから、始めやすいのではないか。そう考えて、どこの限界集落に引っ越そうともパン屋を(も)やろうとは思っていた。
また、デザインの仕事は「依頼あっての仕事」だから不安定だけど、「自分の手で売り物をつくって売る仕事」をそれにプラスさせると安定しやすいのではないか、という狙いもあった。デザイン事務所がカフェを運営するというケースは意外とよく見られるが、あの「お互いの仕事を内容的にも経済的にも補完し合う」というのを自分もやってみたかった。単にコーヒーとお菓子を出すカフェよりも、無店舗販売でもパンを売るほうが儲けやすいんじゃないか? とも推理する。

たしかに、それだけを聞くととても楽天的な考えかたかもしれない。実際には神山町は移住希望者が殺到する限界集落で、したがって空き家や空き店舗は全然無い。だから、たとえ家賃が安いだろうと踏んでいても、物件自体がそもそも無い。
また、都会より田舎のほうが競合他社が少ないとは言えど、買ってくれるお客さんの数は田舎のほうが絶対的に少なすぎるわけで、開業しやすいかもしれないが儲けにくいかもしれない、ということも考えられる。

ただ、ここ神山町は全国の田舎の中でもいろんな方向から話題性があり、注目を集める町。毎日毎日視察や見学は山のようにやってくる。だから町民向けだけでなく、町外から来られる人にも買ってもらえる飲食ならば、まず複業としてやっていくならば、まだ十分可能なのではないか、と考えた。ましてやパンなら持ち帰って食べることができて場所を選ばないから、飲食ブースを用意しなくてもいい(でも、最終目的は「楽しく食べたり話し合えたりできるたまり場」をつくりたいと考えている)。
神山町は徳島県の他の田舎より都心に近く、徳島市までクルマで30分もあれば来れるという立地もプラスに働くのではないかとも考えた。
そして、パンを製造する場所を持たなくても、この町には町民が使える超古いパン焼き用のオーブンがあったり、とある町民が「シェアキッチン」を建設中だったりしていた。だから、まず焼く場所を構えないと無店舗販売すらできない、という状況ではなく、パン屋をはじめるハード側のハードルはむしろ低そうなのだった。

そしてそもそも「酵母を起こしてパンを捏ねて成形して焼く」という作業は夫婦ともに楽しいと思える作業だし、食べてもらってその場で喜んで貰えるというのは、シンプルにやりがいを感じた。これも合わせて生計に役立てるって、素直に楽しそうだと思っている。

 

だから、今回の出店を誘われたのは「渡りに船」だった。それから、一食分をどれくらいの価格帯に決めて、どんなパンを焼けばコストが合うのか、それに「僕らが提供したいパン」をすりあわせていくのを夫婦で考えあった。

(2につづく)

とにかく試作の日々

とにかく試作の日々

 

新知識の仕入れ

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この歳になっても新しい知識を習得するって、すごい面白い!と素直に思った。

パン屋のための第一歩 | HACCO STORYWRITER

この記事を自分で読み返して、「だったらなんで僕は学校の勉強で『新しい知識の獲得って楽しい!』とならなかったのだろうか」と思った。高校時代に物理や化学の知識を仕入れるのが超楽しいと感じていたら、今頃理系の大学にでも行けてたのかもしれない。

いや、小学校や中学校くらいだったら新しい知識を知ることはまだ楽しいことだったのではなかったか。どこからこうなった?どこから「めんどくさい」と思うようになった? 高校時代か? 社会人か?

ひとつ考えられるのは、「自分の暮らしに関わる新しい知識」については、何歳になろうが仕入れれば仕入れるほど面白い、ということだ。おそらく高校時代の僕は物理や化学の授業が「自分の生活や趣味」に関わることではなかった。だから面白いとも必要性が高いとも感じることができず、興味が湧かなかった。だから学ぶことが楽しくなかった。

もうひとつは「この知識を学べば、将来において自分の好きなことや、やりたいことに役立つのではないか」と想像できる物事であれば、新知識の仕入れは楽しいのではないか、ということだ。これにはあらかじめ『ゴール』を定めておく必要がある。朧げなゴールであったとしても構わないと思う。「将来こんなことしたい」というゴールから逆算して、この知識がもしかしたら使えるかもしれないと少しでも考えられるならば、覚えるという作業は自ずと楽しいものではないだろうか。だってそれを覚えることこそが、夢を叶える一歩なのだから。「これを実行すれば夢に近づくんだ!」という意識で行動するって楽しいにちがいない。他の人のことは知らないが、僕にとってはパン屋を開くにあたって遠かれ近かれ必要なことだったから、どんな些細なことでも興味深く見聞きできる。もしも物理学や化学を応用したパンづくりだとするならば(たぶん実際使うだろうけど)、物理学や化学の習得も楽しいのかもしれない。

要は常に「これからの自分はどう在りたいのか」を、いつも考える。その様子を想像する。「それがはたして本当に実現できるかどうか」などとは一切考えなくてもかまわない。

ただただ、「自分はどう在りたいのか」や「こんな暮らしができたら楽しいだろうな」を想うこと。それがあるから一見めんどうくさかろうが大変だろうが、いつも前向きに取り組むことができる。

それこそが、人が生きるうえで大切なことなんだろうな、と思う。

今までの自分と関係がなかったとしても、これからの自分に関係のある新しい知識を仕入れるのって、すごい面白い! 何歳になっても面白い! と素直に思った。

で、後日送られてきた食品衛生責任者の看板

で、後日送られてきた食品衛生責任者の看板

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深夜の撮影

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デザイナーだが撮影が大好きだ。コピーを考えるもの好きだけど、撮影が大好き。楽しいことをするために働いているので、自分でできる撮影ならば自分で撮る。

自宅を仕事場として暮らしているので家のどこかでバック紙を敷いてストロボを設置して撮ることになる。そして、子供ができてからは、撮影は自ずと夜か妻が子供たちと一緒に外出している時のいずれかになっていった。 (さらに…)

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「佐保川ラジオ」のデザインについて

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今年の5月末に奈良県立図書情報館にて行われるイベント「佐保川ラジオ」のフライヤーデザインをさせていただいた。宝塚の怪人・メディアピクニックの岩淵さんとスキマインダストリーズの浅利さん、そして図書情報館の乾さんによる企画。いつも前例のないことばかりカタチにしていかれる方々の仕事だ。

このイベントは、奈良県立図書情報館という「図書」だけでなく「情報(デジタル等の)」も扱うという先進的な図書館にて開催するイベントであり、その内容とは「図書館内に2日間だけインターネットラジオ局を開局し、ラジオ番組を持ち寄って、聴き合い、話し合う。そうすることでまた新たな文化を発信する、というもの。その2日間の放送は当然録音され、DVDなどのメディアに記録されて、その音声まるごと図書館に収蔵される。
なにも図書館は本のみを収蔵するものではなく、音声データも収蔵して構わないんじゃないか。だったらそのソフトごとイベント化して、来館者と楽しみながらつくり合ってしまったらいいんじゃないか、という他の図書館ではまず実現し得ない不思議なイベントだ。 (さらに…)