思考の酵母 ‘進撃の巨人’

「漫画が好きだから」だけでは戦えない

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質問者4 世の中には、漫画家や音楽家で、売れたいと思って、いろいろ描いたり、活動したりしている人がたくさんいると思います。その中で、なかなか売れなかったり、うまくいかないなどと悩んでいる人も、たくさんいると思うのですが。そういった人たちに対して、実際に売れるためにどんなことを意識すればいいのか、教えてください。

川窪 漫画家さんでいうと、「実現したいことはなんなのか」「実現したい自分はなんなのか」ということを考えることだと思っています。

新人の漫画家さんによく「なんで漫画家になりたいの?」というと、「漫画が好きだから」「漫画家に昔からなりたかったんで」といった答えが返ってくるのですが、それだとかなり厳しいですね。

漫画を描いて「どんな自分になりたいのか」、漫画を描くことが「どういった目的のだめの手段となっているのか」ということを考えないと、漫画はうまくならないというか、売れないのです。

諫山さんでいえば、日々付き合っていて思うのは、彼は「人に後ろ指をさされる人生は、絶対送りたくない」と思っているように僕には見えています。「かっこいい人間になりたい」というよりは、「かっこ悪い人間になりたくない」といった気持ちが、彼の中にはすごく強い。それを実現するために、漫画を描いているようなところがあります。

それは、なんでもいいのいいんですよ。なんでもいいのだけど、そういったものが、漫画を描くことの隣というか、先にないと、いい作品は作れません。

もし、今、うまくいかない子や売れなくて悩んでる子に関していうなら、「漫画家になってなにがしたいの?」「漫画を描いて、どういう自分になりたいの?」というようなことを考えることかなと思っています。

それをしたところで、99%の人がうまくいかないというのは現実ではあるので。そのことは残念ながら、そうした世界なのだということを認識して出発しないと怖いですよ。そのように思っています。

『進撃の巨人』担当編集が語る、漫画づくりの出発点「“漫画が好きだから”だけでは戦えない」 – ログミー